<パキスタン>深まる対立 軍が公然と首相批判 [無修正DVD]

【ニューデリー杉尾直哉】パキスタンで、民政政権と軍の無修正DVD対立が危機的様相を深めている。ギラニ首相は11日、ロディ国防次官(退役陸軍中将)を「職権乱用と違法行為」を理由に解任した。この直後、軍は声明を出し、最近の首相の対決姿勢が「重大な結末を招きかねない」と警告した。47年の建国以来、3度の軍事クーデターを繰り返したパキスタンだが、軍が現職首相を公然と批判するのは極めて異例で、現政権が発足した08年以降初めて。最高裁もギラニ首相の「適性」を疑問視する姿勢を強めており、現政権は追いつめられている。

 軍は「重大な結末」の詳細を説明しなかったが、軍事クーデターをちらつかせることで政権側をけん制する狙いとみられる。ただし、国際的批判から、実力による政権転覆を軍側は望んでいないとの観測が強い。

 軍・政権の対立は、ザルダリ大統領が「軍事クーデター阻止」のために米軍に介入を求めるメモを渡したとされる疑惑が浮上した昨秋以降、顕在化した。真偽については最高裁が調べており、軍トップのキヤニ陸軍参謀長と軍情報機関ISIのパシャ長官がそれぞれ「徹底調査」を求める弁明書を提出した。

 しかし、ギラニ首相は、「事前に知らされなかった」として、軍側の弁明書提出を「違憲」と批判した。国防省内の軍側代表者である次官を解任したのは、その報復とみられる。ギラニ首相が今後、キヤニ参謀長らの解任に動けば、軍側の猛烈な反発は避けられない。99年のクーデターは、当時専制ぶりを強めたシャリフ首相によるムシャラフ陸軍参謀長(後に大統領)解任がきっかけだった。

 一方、最高裁は10日、ザルダリ大統領らの腐敗問題の訴追再開を決めた最高裁決定(09年12月)に現政権が従っていないとして、ギラニ首相を「不適格」と認定する可能性に言及した。16日に腐敗問題の審理を開いた後、首相の「適性」について判断を下す可能性がある。突然の最高裁の動きについて、「ザルダリ政権を崩壊させるため、軍が最高裁を背後で動かしている可能性がある」(米シンクタンク「ヘリテージ財団」のリサ・カーティス上級研究員)との観測が出ている。

 最高裁には首相解任権はないが、「不適格」の(烙印、らく、いん)を押されれば、ギラニ首相は辞任に追い込まれ、議会解散・総選挙になるのは必至だ。政権崩壊を望みながらも、クーデターを避けたい軍にとって理想的なシナリオとなる。ただし、亡命中のムシャラフ前大統領(前陸軍参謀長)が計画通りに今月27日以降に帰国すれば、ムシャラフ氏に逮捕状を出している現政権の対応によっては軍側が不測の行動に出る事態もある。


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